第10回 MMT「音楽療法研修会 高崎」活動報告
ご報告が遅れましたが、9月6日(日)10:00から16:30まで、藤岡市総合学習センターで第10回MMT「音楽療法研修会 高崎」が行われました。今回の研修会は、日本音楽療法学会のポイント認定対象となる研修会で、参加者9名のうち、2名の方は新しく参加された方でした。
午前中は、藤本先生により「音楽による遊びの支援 〜音楽療法臨床場面〜」というテーマで講義が行われました。これは8月に「日本言語障害児教育研究会」で藤本先生が行った「ゲスト講演」をMMT会員のために少し修正した内容とのことでした。
パワーポイントを使用して音楽療法についての説明と、遊びの支援としての音楽療法を話されました。音楽療法の活動を「歌う活動」「楽器を鳴らす活動」「身体を動かす活動」にわけて、それぞれの活動の紹介・解説をビデオで交えて話されました。
その中で、創造学園大学の音楽療法コースの学生が行っていた「歌う活動」のセッションのビデオを分析したものが印象的でした。リーダーと対象者のやりとりを分析したことにより、どのようにして対象者が満足していったのかを知ることができて興味深かったです。そのビデオでは、リーダーは、短い一曲の中で対象者に挑戦させるような、あるいは出来る言葉を瞬時に判断して提示していました。
午後の前半は、会員のKさんによるビデオを使用した事例報告が行われました。Kさんが実際に行っているセッションを、細かく場面ごとに区切って参加者で分析を行いました。
場面ごとに質問が出され、活動中の対象者やリーダーがとった行動に対して、疑問に思ったことや、気づいたことなどの意見を出し合いました。参加されたみなさんが次々と自分の意見を発言し、それぞれの意見から様々な学びが得られました。
後半は、ワークショップを行いました。参加者が3組に分かれ、前半のビデオの中で行われていたペンタトニックの音階を使用して、模擬セッションを行いました。グループごとに、対象者を決め、どんなセッションにするのかを話し合い、練習の後、発表を行いました。短い時間の中での話し合い・練習・発表でしたが、それぞれの発表に対して率直にコメントを出し合いました。最初の発表ではうまくまとまらず、参加者のコメントをもらうことによって、まとまっていったことで、他の人の発表を見てその場で思ったことを伝えられることは音楽療法の活動でとても大切なことと感じました。この経験を今後の自分たちのセッションに繋げていけたらなと思いました。
そして最後に、藤本先生から世界大会の日本開催のお話があり、今回の研修会は終わりました。仲間と交流することで、ひとりひとりの考えや思ったことを聞くことができ、お互いの意見を共有でき有意義な時間になりました。
講義で、音楽療法は人と人が関わることで始まっていくと藤本先生が話されていましたが、音楽療法士と対象者の関係だけでなく、音楽療法士同士が交流することにより、新しいいろいろな可能性が広がっていくのではないかと実感した一日でした。
(記 田島)
次回第11回MMT「音楽療法研修会 高崎」は定例回として11月29日(日)に行います。募集要項は記載いたしませんが、ご参加は随時受け付けしております。MMT「音楽療法研修会 高崎」の概要と長期予定は右上部に常にリンクしておりますので、MMT「音楽療法研修会」概要よりご覧ください。
また、日本音楽療法学会のポイント認定対象の「音楽療法研修会 高崎」は2016年1月24日(日)を予定しており、詳細は決定次第お知らせいたします。
↑藤本先生による講義の様子です。みなさん先生の言葉を聞き逃さないように熱心に聞いています。
↑ペンタトニックの曲の「海」をリーダー、ピアニスト、クライアント役に分かれて演奏しました。リーダー演奏が始まる前のあいさつをしています。
↑日本で行われる世界大会のお話を聞いています。日本での開催は日本にいながら世界の音楽療法士の活動を知ることができる大きな機会です。