第26回MMT音楽療法研修会 高崎
活動報告

2022年6月26日にオンラインで開催いたしました。
今回は、「動画観察記録起こしをもとにしたピア・スーパービジョン」をメインに行い、その後、「コロナ禍での児童の発語獲得についての意見交換」を行いました。
参加者は13名で、グループに分かれることなく全員でグループ討議や意見交換を行なうことができました。

まず最初に、MMT会員が実際に行なっている児童のセッションを短く区切って編集した動画を繰り返し詳細に観察し、記録を作成する作業に取り組みました。大変集中を要する作業でしたが、クライアント、セラピスト、ピアニストのそれぞれの動きやその関係性に注目して記録を書き出し、そのセッション場面を音楽療法士の視点でどのように考察するか、まず各自が考えました。
そして次に、そのセッションを行った会員と動画観察をした参加者とのピア・スーパービジョンへと展開していきました。
「ピア・スーパービジョン」は、仲間同士がスーパーバイザーになり助言し合うグループ討議の方法で、具体的には、発表者が抱えている課題や悩みの共有、ねぎらい、提案という流れで、参加者が平等な立ち位置でお互いに敬意を払いながら意見を出し合います。今回、とても温かな安心できる雰囲気に包まれながら、発表者も参加者もお互いに学び合うことができたと実感できたようで、参加後のアンケートで「またピア・スーパービジョンに参加したい」との声が多かったことが印象的でした。

その後、コロナ禍での音楽療法の困りごとの一例として、「発語獲得を目指したセッションでの制約とセラピストの迷いについて」の話題提供と意見交換を行いました。皆さんコロナ禍でそれぞれに苦労をされているので、短い時間でしたが有意義な意見交換となりました。

MMTの研修会は、外部講師の講義でなく、会員たちの研修チームによる完全な手作り研修なので、企画者側も参加者側も楽ができません。私は企画者として参加しましたが、今回も大変に疲れました。でも、研修を終えたとき、音楽療法という奥深い世界を共に探検しそれぞれがそれぞれに何かを発見し合ったような、すがすがしい連帯感を覚えました。
研修に参加してくださったすべての方に感謝申し上げます。 
また、今後もこの研修会でいろいろな方々と出会えますことを楽しみにしております。
                                  (記 前橋)

第25回MMT音楽療法研修会 高崎
活動報告

令和4年1月23日に第25回MMT「音楽療法研修会 高崎」が、オンラインにて開催されました。
「プログラムの背景となる理論を学ぶ」をテーマに、東京、群馬、埼玉、福島、静岡から14名の方が参加されました。
このテーマに至った趣旨は、6月に開催されたMMT研修会での事例発表者が、参加者の皆様から「なぜ、そのような手順で関わったのですか?その理論的背景は?」などの質問に的確に答えることが出来なかったことから、何故この活動をするのか、どうしてこの曲や楽器を使うのかなどを説明する力、そして実際のセッションの取り組みが、どのような理論に基づいているのか、意見交換をしながら学びあうという趣旨で行われました。

今回の研修会では、話題提供者から、マリンバを使用した音楽療法セッションで、児童が次の曲を選ぶ際に「簡単な短い曲、聴いたことのある曲ばかり選んでしまう。長い曲や新しい曲にチャレンジするにはどのように取り組んだらよいか」という課題が提示されました。この課題について、3つのグループに分かれ、課題に合った取り組み方、その取り組み方はどんな理論に基づいているのかを話し合い、グループ毎に話し合ったことを参加者の皆さんでシェアをしました。
1つ目のグループは、ジャンルを広げる、また今までの曲をアレンジによって広げたらどうか。2つ目のグループは、その児童が視覚優位であると思われるので、新しい曲について見通しを持てるように曲を聴かせて選ぶのではなく、楽譜を見せてみてはどうか。3つ目のグループは、自信のなさに注目し、まずは自信を育てるために、縦に進める(レベルを上げる)だけではなく、横に広げるような課題(同程度レベルの曲を複数繰り返す)の提示が必要ではないかなどの意見が出されました。
理論としては認知行動療法、発達理論、人間主義的心理学などが提案されましたが、セッションにおいては、一つの理論からだけではなく、いろいろな理論が重なっていること、また自分の考えを持つ、そしてその考えを説明できる力をつけることの必要性を実感した研修会となりました。
アンケートには、セッションの振り返りや、音楽療法の基本を振り返る機会になった。事例を深く掘り下げて考える方が多く刺激になった。「プログラムの背景となる理論を学ぶ」という今回の研修会テーマを深めて欲しかった。難しい内容であったため、求められていることや、どこに注目して良いか理解しにくかった等の記載がありました。
今後の研修会運営に課題をいただきました。

コロナ禍の中、オンラインでの研修会は「研修会 高崎」では2回目、MMT開催の研修会としては4回目の開催となりました。
当研修会は、参加者全員一人ひとりが考えて発言することを主としています。
皆様のご参加をお待ちしております。
(記 平井)

第16回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」
活動報告

6月27日に第16回(2021年度第1回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」がオンラインにて行われました。「事例発表/事例をもとにしたロールプレイ」をテーマに17名の方が参加されました。

事例発表ではポスター発表「音への気づきを手がかりに対人関係に改善が見られたASD児」と口頭発表「知的障害A氏のタイコの打音に及ぼすピアノの弾き方の工夫」の2事例が発表されました。ポスター発表10分間、口頭発表15分間の後、それぞれ30分間の質疑応答の時間を設けました。質疑応答では、様々な質問があがり、意見が交わされました。発表者の方からは、事例をまとめるにあたり、言語化することの難しさを実感したとの感想がありました。

次に4〜5名のグループにわかれ事例をもとにしたロールプレイの話し合いを行いました。口頭発表の内容をもとに「”打点のしっかりした連打”を促すピアノ」について取り上げました。
グループの話し合いでは、まず事例で使用された楽曲を用いて「メロディーのみ」「拍のみ」「メロディー+拍」をセラピスト役がピアノで弾き、クライエント役がタイコを叩きました。それらをもとに様々なアイディアを出し合い、音を出し体験しながら話し合いました。
発表では、それぞれのグループで話し合ったことを説明しロールプレイを行いました。1つ目のグループでは、打点の連打に注目し、ベース音とメロディのバランスについて工夫しました。2つ目のグループでは、拍を刻むことで叩き続けやすくなることに注目し、拍を強調してピアノを弾く工夫をしました。3つ目のグループでは、拍(ベース)を強調することに注目し、メロディとベース音の音域を広げるなどの工夫をしました。

ロールプレイについて参加者の方からは「ピアニスト役とクライエント役のそれぞれの立場からは音楽の聴こえ方が違うことに気付かされた」「セラピストとして、活動をどう展開していくか、提供していくかすり合わせが大切だと思った」「どのように叩いてもらうかによって、伴奏やタイコの提示がかわるのだと思った」などの感想が聞かれました。

当研修会では、事例発表の際、質疑応答の時間を長く設け、じっくりと話し合い、意見交換ができるよう心掛けています。参加者の方からも「考える時間が持ててよかった」「事例に対する質問、視点が勉強になった」という感想が聞かれ、当研修会で事例発表をしたいという声も聞くことができました。

今回もオンライン越しでありましたが、参加者の皆さんと顔を合わせ話し合う機会を持つことができよかったと思います。
今後も参加者の皆さんの声に応えられるよう研修会を行っていきたいと思います。
                                  (記 小林)

次回第17回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」は決定次第お知らせいたします。
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第24回MMT音楽療法研修会 高崎
活動報告

令和2年11月22日に第24回MMT「音楽療法研修会 高崎」がオンラインにて開催されました。高崎研修会では初の試みzoomを使用するにあたり、9月に武蔵野研修会で行われた活動を参考にして、スタッフの方々に様々協力をいただき実施することができました。オンライン開催という事で、遠方の方も参加しやすく武蔵野研修会からのメンバーや初参加の方を含めて、多くの方と交流を深めながら、総勢12名の方と学び合いました。

今回のテーマは「オンラインセッションを体験してみよう」で、コロナ禍で対面での活動が難しい状況下となりましたので、zoomを使って、オンラインバージョンで行いました。武蔵野研修会は、元気な高齢者のグループセッションの実際を体験的に学びましたが、今回は児童の個人セッションの学びでした。実際にリーダーやクライアント役を体験し、さまざま考察いたしました。歌唱活動で「こんにちは」、身体活動で「大きな栗の木の下で」、楽器活動で「音のシンフォニー」の楽曲を用い、zoomで小部屋に分かれてグループでの話合い、活動を考えてロールプレイでの体験は、オンラインセッション初めての方も多く、試行錯誤をしながらの取組みでしたが、実際にやってみて気づくこと、わかることがたくさんあり、実践をすることの価値をみなさんが再認識してくださいました。また藤本先生より、現在行っているオンライン個人セッションの動画を観ながら、解説を伺うことが出来きて、実際の様子も分かり知ることができました。

参加者から、「オンラインでは、画面の映り方、視線、声の大きさ、身体の動かし方など、対面とは違う事が実際に行う事で感じることができた。」、「子どもの個人セッションでは、アシスタント役のお母さんの役割が重要となり、その経験を子どもへの日常の対応に般化させることにもなるという利点を知ることができた。」などの感想をいただき、今回のオンラインセッションを体験することで、新しい発見と共に、工夫次第でさまざま活動が出来ることがわかるなど、音楽療法の理解をさらに深め合うことができました。これからオンラインセッションを始めてみたいという方もいらして、大変有意義な研修会になりました。

開催にあたり、準備等で様々ご協力いただきました武蔵野研修会のスタッフの方々、参加して下さったみなさま、本当にありがとうございました。
今回も大変お忙しい中でご指導くださいました(理事長)藤本先生には、心より感謝申し上げます。(記 稲葉)

次回第25回MMT「音楽療法研修会 高崎」は決定次第お知らせいたします。
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第15回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」
活動報告

9月20日に第15回(2020年度第1回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」がオンラインにて行われました。「ロールプレイを通してオンライン音楽療法セッションについて学ぼう」をテーマに16名の方が参加されました。

今回の研修会では、お元気な高齢者グループのオンラインセッションでの歌唱活動において、“皆で一斉に歌うと音がずれる”という条件の中、セッション参加者からの「全員で一緒に歌いたい」という要望を叶えるために、一体感、達成感、所属感が得られるよう、どのような工夫ができるかを、3つのグループにわかれ話し合い、発表をしました。

まず最初に、オンラインでの全員同時歌唱を体験しました。1度目は音をミュートにして歌い、2度目はミュートを解除して歌いました。ミュートにして歌うとセラピストのピアノに合わせ1人で歌っているように感じられました。ミュートを解除するとそれぞれに時間差が出てきて歌声にずれが生じましたが、音はずれていても人の声が聞こえる安心感がある、ずれる不安もあるが皆で歌いたいと感じた、など感想が聞かれました。

グループの話し合いでは、どのようにしたらずれを気にせずに歌い一体感などを得られるか、そのためにどのような工夫ができるかを考え、様々なアイディアを出し合い、実際に行いながら話し合いました。
発表では、それぞれのグループで話し合ったことを説明しロールプレイを行いました。1つ目のグループでは、音楽の伴奏に焦点が当てられていました。速いテンポ、大きな音はオンライン上では伝わりにくいということから、ゆっくりのテンポで平坦に伴奏の音も少なくすること、またセラピストはリズムを身体で大きくとり相手に伝えるようにする、などがあがりました。2つ目のグループでは、視覚的な補助について焦点が当てられていました。セラピストの口元を見ながら歌うとずれが少なく感じた、また、視覚からの情報としてリズムに合わせ身体を揺らすというアイディアには身体の動きが気になり歌に集中できなかった、などがあがりました。3つ目のグループでは、参加の仕方に焦点が当てられていました。画面から目をそらして歌ってみたが、よりどころのなさを感じた。声の大きさを変えてみたが大きいと他者の声が聞こえず、小さいと鼻歌のように感じた、などがあがりました。また歌詞を画面に出し、歌詞を指差しで歌ってみると、勉強的になってしまう感じがしたが、よりどころが少しはできた感じがしたなどがあがりました。

今回の研修会ではオンラインセッションを取り上げロールプレイを行いましたが、オンライン上での問題点や対面でのセッションとは違う点などを実際に体験することができ、考えることができました。
参加者の方からはオンラインセッションは難しいと感じたと前置きがありながらも「話し合いの中で色々試せたことがよかった」「皆で歌うことの楽しさが再確認できた」「色々なコツや工夫で、できないことはないように思えた」などの感想が聞かれました。

今回、MMT初のオンライン研修会を開催しました。現在、集まることが難しい中、オンラインで行い、参加者の方も顔を合わせることができよかったというお声をいただくことができました。今後も対面、オンラインと状況に合わせ開催を考えていきたいと思います。
(記 小林)

次回第16回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」は決定次第お知らせいたします。
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第14回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」
活動報告

1月26日に第14回(2019年度第2回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」が武蔵野市民会館にて行われました。「ピアノ伴奏について考えよう~歌唱活動・身体活動~」をテーマに15名の方が参加されました。

初めにウォーミングアップとして、ピアノを弾く時の心持について、どのようにクライエントのために音を出すことができるかについて体験をしました。参加者全員でピアノの周りに円となり順番に1音ずつ出していきました。最初は何も考えずまず音を出すことから始まり、だんだんと「前の人の音を聴いてつなげて音を出す意識を持つ」「前の人の音につなげ、次の人につなげる意識を持つ」「部屋の大きさを見て、部屋全体に響くことを感じて音を出す意識を持つ」などテーマが提示され、それを自身で意識しながら音を出し合いました。このウォーミングアップでは、それぞれの意識の持ち方や音への感じ方で音の大きさや、長さ、弾く時のタッチの重さ、響きの柔らかさなどに違いが出てくることに耳を傾けました。

次に児童2グループ、高齢者1グループにわかれロールプレイを行いました。今まではグループごとにロールプレイを行い、その結果を発表してきましたが、今回は当研修会では初の試みの、『グループでのロールプレイを他グループの前で行い発表までの過程を見てもらうという公開スタイル』の形で行いました。
まずグループで「ピアノ伴奏について臨床場面で困っていること」を話し合い、悩みなどを共有し、ロールプレイで取り上げる内容を選びました。その後、グループごとにロールプレイを行いました。ロールプレイでは内容についてどのような工夫ができるか、どのように考えられるかなど話し合い、ピアノを弾いて試してみながらアイディアを出し合いました。また今回は公開スタイルということで、グループ内で話が行き詰った時は、他グループの方たちに意見を求めることもできました。
児童グループ①では「伴奏の付け方がワンパターンになりがち」ということについて話し合われました。「雪」に伴奏をつけお互いに弾き合い、音域を移動させて弾く、弾き方(軽やかに弾く、なめらかに弾くなど)を変えてみるなど意見を交わし合いました。
児童②グループでは、悩みを話し合いその中から伴奏コードの付け方や、コード(音)の選択の仕方について話し合われました。また、即興場面でクライエントが弾く音に対してセラピストが何を感じとりどのように音を付けていくかという話があがり、これには他グループの方にモデリングを行ってもらいました。
高齢者グループでは「埴生の宿」を使用し、弾き方による違いを体験し、そこから伴奏付けの工夫について話し合われました。歌いやすくするためにはブレスの部分でピアノの音を減らす、少しシンプルな伴奏の方が良いかもしれないなどの意見がでていました。

今回の研修会では、ピアノ伴奏に対してピアノは苦手だからと思うのではなく、どのように意識をして弾くか、その意識を自身へではなくクライエントに向けられるように考え、できることをしていくということが大切だとあらためて感じさせられました。
参加者の方からはウォーミングアップでは「1つの音だけれども目的を持つと心持が変わる」「自身がピアノに近づけたように感じた」またロールプレイでは「悩みを話し合う事で他者と共感することができてよかった」「自分の出す音に責任を持たなくてはならないと感じた」などの感想が聞かれました。

今回の研修会は公開スタイルのロールプレイを行うという初の試みでしたが、ピアノ伴奏に持つ悩みを参加者の方たちと共有することができ、これからピアノ伴奏に対する意識を少しでも変え臨床現場で生かすことができれば良いと思います。
(記 小林)

次回第15回(2020年度第1回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」は2020年9月20日(日)に行います。詳細は決定次第お知らせいたします。
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↑ウォーミングアップの場面です。「少し離れた位置に座っている方に音を届けるように弾く」というテーマに取り組んでいます。


↑ロールプレイの1場面です。話し合ったことを実際に行い、どのように工夫をしたら良いか案を出し合っています。


↑他グループのロールプレイを見ながら、参加者一人ひとりが考えています。

「うつ予防と音楽療法」に参加して

2月6日(木)西東京市高齢者支援課・地域包括支援センター主催の講演会「うつ予防と音楽療法~音楽を愉しみ、笑顔を増やそう~」が、コール田無の多目的ホールにて開催されました。昨年に引き続き2回目の講演会でした。大変よく晴れていましたが、風も強くとても寒い日でした。気温が低い中、大勢の市民の方がいらしてくださいました。NPOからは、藤本禮子理事長、松本、原、金子、及川が参加しました。
前半は日本音楽療法学会常任理事で心療内科医師の村林信行先生による「さまざまな場面に出現するうつとその対策」のご講演、後半は藤本理事長による音楽療法体験の時間が持たれました。
音楽療法体験では、会場の皆さんと歌唱、身体活動、楽器活動を行いました。歌唱の際には一曲歌うごとに声が大きく聞こえてきました。身体活動では「ラ・クンパルシータ」のテンポに乗って、手拍子・足踏み・お隣さんの肩をトントン、初めましてのお隣同士でも笑顔が見られました。楽器活動の際には、「音楽療法サロンGO小金井」「音楽療法せせらぎ会」による「北の国から」「オ・シャンゼリゼ」のデモンストレーション演奏と、会場にいらした方を呼び込み一緒に合奏を体験していただきました。「初めてだしできるかしら?私が出ていいの?」と心配そうに出ていらした方も、「できたわ!楽しかった!」と嬉しそうに話してくださいました。
講演会の最後に「花」を立って歌いました。私も客席側で皆さんと一緒に歌いました。体験開始時の静かな会場の雰囲気と打って変わって、晴れやかな表情で大きく口を開けて歌っている方が多いことに気が付きました。後ろを振り向いて「とってもいいお声ね!歌声がとても素敵!」と、初めて会った方との会話が弾む様子も拝見することが出来ました。「寒かったけど今日は来てよかったわ!」「すごく楽しかった!」「またやってほしい!」と話しかけてくださる方がとても多かったです。(記 及川)


↑さだ まさし作曲の「北の国から」を 会場の方も一緒にリードホーンで演奏しています。


↑NPOmmt 地域の音楽療法に参加して下さっている「せせらぎ会」「音楽療法サロンGo小金井」の皆様による「エーデルワイス」の演奏です。


↑講演会の最後に会場全体で滝廉太郎の「花」を合唱しています。

第13回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」
活動報告

6月23日に第13回(2019年度第1回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」が武蔵野市民会館にて行われました。「合奏を考えよう~対象者の目的に合う楽器・曲の使い方~」をテーマに19名と多くの方にご参加いただきました。

児童・成人・高齢者の領域にわかれ(児童2グループ、成人2グループ、高齢者1グループの計5グループ)、事前にお知らせしておいたリチャード・トンプソン作曲「キャッチ・ザ・ビート(「音楽療法のためのピアノ小曲集」より)」を使用し、それぞれの対象グループのニーズに合わせた合奏を考え、発表しました。

グループの話し合いでは、グループ内であらかじめ対象者と役割(セラピスト、ピアニスト、クライエントなど)を決め話し合いを進めました。楽器の選定、また対象者の目的のために曲・楽器をどのように活かすか、そのためにどのような働きかけや指示の出し方、音楽が必要となるか話し合い、実際に練習し、それに対してそれぞれの立場でどう感じたかを話し合い、アイディアを出し合いました。
発表では、グループで設定した対象グループや目的を説明し、ロールプレイを行いました。児童グループ①では、理解力や行動のペースに差のある3名にそれぞれのペースに合わせた合奏、また児童グループ②では、力のコントロールが難しく失敗感を感じてしまうクライエントに対し、成功体験がつめるようタンバーの差し出しに工夫をした合奏が発表されました。成人グループ①では使用曲に初めて取り組む設定の中、1人1人が満足感を得られるよう楽器の提示に工夫をした合奏、また成人グループ②では、2つのグループにわかれ、それぞれ役割を集中して行うこと、互いを意識し合うことを目的とした合奏が考えられました。高齢者グループでは様々なクライエントが集まったグループが皆で一緒に楽しめるよう、またその中で眠気の見られるクライエントには入眠しないよう工夫を加えた合奏が発表されました。
それぞれのグループの発表が行われ、それに対して意見交換が活発に行われました。その中には自身のグループでは思いつかなかったアイディアや視点などがあり、それらについてあらためて考えさせられました。

参加者の方からは「小グループで意見交換ができたこと、短い時間でまとめあげる大切さがよくわかった」「発表のあとの意見交換がとても勉強になった」「目的に合わせた曲や楽器の使い方を他の方の案ややり方を聞く事ができてよかった」などの感想が聞かれました。

上記のように参加された皆さまに何か1つでも参加してよかったと思える体験ができるよう、今後のテーマも考えていきたいと思います。
(記 小林)

次回第14回(2019年度第2回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」は2020年1月26日(日)に行います。
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MMT「音楽療法研修会」概要をご覧下さい。


↑児童グループの発表です。クライエントそれぞれのペースに合わせてThが働きかけています。


↑成人グループの発表です。楽器を鳴らす人に注目が向きお互いに意識し合えるようにすすめています。


↑発表後の意見交換の場面です。様々な意見や感想が飛び交いました。

第22回MMT音楽療法研修会 高崎
活動報告

8月25日(日)、高崎佐野公民館にて第22回MMT「音楽療法研修会 高崎」が行われました。今回も藤本理事長を講師にお迎えし、「スペース奏の効果を探る」というテーマのもと、8名の参加者とともに学びを深めました。

内容は、午前は参考文献も見ながらスペース奏のメリットやデメリットについてお話を聞いたり、実際の臨床場面のビデオを鑑賞しながらスペース部の分析を行ったりしました。午後は予め参加者の希望をとり、対象者を「高齢者」と「児童」とした2つのグループに分かれて話し合いやロールプレイ形式での発表を行いました。使用曲は、それぞれのグループが想定する対象者にあったもの(スペースが用いられるもの)を話し合いながら選定しました。それぞれのグループで、スペース部でリーダーがどのように楽器を提示するか、又はどのタイミングで声をかけたり歌いかけたりするか、ピアノはどのように弾くとより効果的か、アシスタントはどのようにフォローすると良いか等々、活発に意見を出し合っていました。

発表では、高齢者対象グループは「イン・ザ・ムード」(J・ガーランド作曲)、児童対象グループは「2人の音」(臼井裕美子作詞作曲)を用いてどちらも楽器活動を行われました。「対象者に対してこんな発信をすると、こんな反応が想定されたね。ではどうしたら改善されるかな」等、様々な場面を想定した上で意見交換することができました。

フリートークの時間には、各々が臨床場面で抱えている悩みや疑問、資格取得又は更新に向けてのアドバイス等の情報交換の場ももてました。

今回の参加人数は若干少なめではありましたが、お一人お一人の悩みや課題、情報をじっくりと共有し、学び合える機会となり、笑いも交えながらの楽しい研修会となりました。(記 諸)

次回第23回MMT「音楽療法研修会 高崎」は2019年11月3日(日)に行います。
詳細が決まり次第、募集要項にてご案内させていただきます。

VTRを見ながら意見交換をしている様子

グループに分かれて実際の場面を想定してロールプレイをしている様子

デスクベルを使用して
「2人の音」を合奏している様子

第12回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」
活動報告

3月31日に第12回(2018年度第2回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」が武蔵野市民会館にて行われました。「楽器活動の目的とそのための楽器・曲の使い方を考える」をテーマに11名の方が参加されました。

希望の多かった児童、成人の領域にわかれ(3名程の3つのグループ)、タンバーを使った活動での目的や方法(差し出し方、タイミングなど)、曲の使い方、伴奏のつけ方などについて話し合い、発表しました。
グループでの話し合いでは、グループ内であらかじめ対象者と役割(セラピスト、ピアニスト、クライエントなど)を決め話し合いを進めました。対象者にどのようにタンバーを使い、どのように関わっていきたいか、そのためにどのような働きかけや音楽が必要となるか話し合い、実際に練習し、それに対してそれぞれの立場でどう感じたかなどを話し合い、タンバーを差し出す方法や、伴奏の付け方などのアイディアを出し合いました。
発表では、グループで設定した対象者や目的を説明し、ロールプレイを行いました。成人グループでは、理解力や行動のペースに差のある2人が活動を共有すること、児童グループでは、20名程の集団活動の中で、注目をして欲しい子どもに対応しながらいかにまとめて行うか、もう1つの児童グループでは、対象者の個々の課題に対応しながら活動を共有することを目的として発表を行いました。
発表中は、クライエント役の方の動きに思わず笑いがおきるなど、緊張感がありつつも穏やかな雰囲気の中で行われました。

今回は使用曲(「音楽療法のためのピアノ小曲集」よりイレーナ・ユルマン作曲「たいこをたたこう」)を事前にお知らせし、参加者の方にまえもって曲に目を通していただいたうえで行いました。
それにより、使用曲を事前に把握できたのでよかったという声が多く聞かれました。
また、初めて参加された方からは、「自身では気づけなかったことを色々と気づけた」「自身がどのような傾向にあるかを知るのが大事」「それぞれの立場からの視点で話し合えたこと、実際に体験できてよかった」という感想が聞かれました。

今回のテーマは参加された多くの方に好評だったようで、また企画してほしいと声があがり、嬉しい限りです。このような参加された方からの声を受け止め、今後の研修会にいかせていけたらと思います。
(記 小林)

次回第13回(2019年度第1回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」は2019年6月23日(日)に行います。
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MMT「音楽療法研修会」概要をご覧下さい。


↑話し合いの場面です。お互いに意見を交換しアイディアを出し合います。


↑セラピストの後ろから忍び寄るクライエント。この後、会場には笑いの渦が!


↑高く差し出されたタンバーに狙いを定めています。