6月27日に第16回(2021年度第1回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」がオンラインにて行われました。「事例発表/事例をもとにしたロールプレイ」をテーマに17名の方が参加されました。
事例発表ではポスター発表「音への気づきを手がかりに対人関係に改善が見られたASD児」と口頭発表「知的障害A氏のタイコの打音に及ぼすピアノの弾き方の工夫」の2事例が発表されました。ポスター発表10分間、口頭発表15分間の後、それぞれ30分間の質疑応答の時間を設けました。質疑応答では、様々な質問があがり、意見が交わされました。発表者の方からは、事例をまとめるにあたり、言語化することの難しさを実感したとの感想がありました。
次に4〜5名のグループにわかれ事例をもとにしたロールプレイの話し合いを行いました。口頭発表の内容をもとに「”打点のしっかりした連打”を促すピアノ」について取り上げました。
グループの話し合いでは、まず事例で使用された楽曲を用いて「メロディーのみ」「拍のみ」「メロディー+拍」をセラピスト役がピアノで弾き、クライエント役がタイコを叩きました。それらをもとに様々なアイディアを出し合い、音を出し体験しながら話し合いました。
発表では、それぞれのグループで話し合ったことを説明しロールプレイを行いました。1つ目のグループでは、打点の連打に注目し、ベース音とメロディのバランスについて工夫しました。2つ目のグループでは、拍を刻むことで叩き続けやすくなることに注目し、拍を強調してピアノを弾く工夫をしました。3つ目のグループでは、拍(ベース)を強調することに注目し、メロディとベース音の音域を広げるなどの工夫をしました。
ロールプレイについて参加者の方からは「ピアニスト役とクライエント役のそれぞれの立場からは音楽の聴こえ方が違うことに気付かされた」「セラピストとして、活動をどう展開していくか、提供していくかすり合わせが大切だと思った」「どのように叩いてもらうかによって、伴奏やタイコの提示がかわるのだと思った」などの感想が聞かれました。
当研修会では、事例発表の際、質疑応答の時間を長く設け、じっくりと話し合い、意見交換ができるよう心掛けています。参加者の方からも「考える時間が持ててよかった」「事例に対する質問、視点が勉強になった」という感想が聞かれ、当研修会で事例発表をしたいという声も聞くことができました。
今回もオンライン越しでありましたが、参加者の皆さんと顔を合わせ話し合う機会を持つことができよかったと思います。
今後も参加者の皆さんの声に応えられるよう研修会を行っていきたいと思います。
(記 小林)
次回第17回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」は決定次第お知らせいたします。
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