第17回日本音楽療法学会関東支部
地方大会(群馬)ご報告

去る11月4日(日)群馬県前橋市の昌賢学園まえばしホールにて、日本音楽療法学会関東支部 地方大会(群馬)が行われました。大会のテーマは、「心にぐぐっと音楽療法~地域に届け音楽の力~」でした。すがすがしい秋晴れの空の下で、368人の大勢の方々が群馬、前橋で音楽療法に出会い、体験し学んでいかれました。
最初に、藤本禮子より日本音楽療法学会理事長就任の挨拶があり、続けて学会の今後の展望や国家資格への取り組みについての現状を話されました。公開講座で行われた二俣泉先生と二俣裕美子先生の「音楽療法を体験してみよう」では、音楽療法を解りやすく説明しながら、さまざまな楽器や曲で楽しく紹介してくださいました。会場は皆さんの歌と演奏でホールが一体となり、美しい音色に包まれました。
午後は、ワークショップ「成人」「児童」「高齢者」共にほぼ満席となり、ポスター発表、シンポジウムと充実した内容で展開されました。お昼休みには、群馬県を代表する郷土芸能「八木節パフォーマンス」に子ども達もたくさん参加して、笛と太鼓の軽快なリズムで歌と踊りが繰り広げられていく様子を鑑賞できるリフレッシュタイムもありました。
小人数で構成された実行委員の様々なおもてなしが、アットホームな雰囲気を作りだしていたように思います。現場に役立つ沢山の情報と実践が心にぐぐっと響き渡る大変有意義な大会でした。



↑水と緑と詩のまち前橋の中心にある「昌賢学園まえばし文化ホール」の外観です。

大会終了後、ホテルサンダーソン 1Fのレストランジュノーで、参加された高崎研修会のメンバーの方々と藤本先生を囲んで夕食を頂きました。
実はサプライズで藤本先生の日本音楽療法学会理事長就任祝いを企画しており、かつて創造学園大学で一緒に音楽療法を学んだ懐かしい仲間も合流して、9名でお祝いをいたしました。
藤本先生はお美味しいお料理を召し上がりながら、それぞれの近況や活躍ぶりを喜んでくださり、久し振りお会いした方々との話題は尽きず…時間を忘れてしまうほど楽しまれていらっしゃいました。



↑藤本先生はささやかなお祝いをとても喜んでくださり、心に残るすてきなお食事会になりました♪

(記 稲葉)

第21回MMT「音楽療法研修会 高崎」
募集要項

2019年1月27日(日)に第21回MMT「音楽療法研修会 高崎」を開催いたします。詳細をご確認の上、お申し込みください。
日程:2019年1月27日(日)
時間:10:00~16:00
会場:高崎市佐野公民館
内容:
 午前/ワーク「音楽療法セッションで使用する合奏曲を学ぶ」(基礎編)
 午後/ワーク「音楽療法セッションで使用する合奏曲を学ぶ」(応用編)
使用曲:「カリヨン」「ラッパブギ」「Yes,You Can」
 ※またご希望の曲がありましたら1週間前までにお知らせください。
対象:MMT会員/一般 16名  音楽療法士資格の有無は問いません
参加費:MMT会員2,000円/一般2,500円 参加費は当日受付でお支払い下さい
申込締切り:2019年1月19日(土)但し、定員に達し次第締切ります
申込方法:下記の参加申込みフォームからお申し込み下さい。
※キャンセルの場合には3日前までに必ずご連絡ください。

研修会に参加されますと、日本音楽療法学会資格申請/資格更新のためのポイントが取得できます。(予定)
・資格認定申請のためのポイント(レポートなし):3ポイント
・資格更新申請のためのポイント(レポートなし):3ポイント
研修会終了時に、取得ポイント数を記載した参加証明書をお渡しいたします。
★MMT「音楽療法研修会 高崎」の概要と長期予定は右上部に常にリンクしております
MMT「音楽療法研修会」をご覧下さい。

entry

武蔵野赤十字病院
「音楽療法のお話と体験」に参加して

2018年10月27日13時30分より15時30分まで、武蔵野赤十字病院アトリウムパンジーで“「スマイル教室」特別編 フレイル予防で認知症予防②「音楽療法を体験しよう」”が行われました。
主催は武蔵野赤十字病院認知症疾患医療センター、武蔵野赤十字在宅介護・地域包括支援センター、NPO音楽療法の会武蔵野、そして協力は「音楽療法せせらぎ会」でした。NPO音楽療法の会からは、藤本禮子先生、及川、松本、原が参加して音楽療法体験を担当しました。会場には近くにお住まいの方や入院されている方の他、「音楽療法サロンGO小金井」「音楽療法せせらぎ会」の皆さんも駆けつけてくださいました。

始めに、認知症疾患医療センター相談員の大谷先生からご挨拶がありました。「認知症予防には算数や体操など様々な方法がありますが、何より楽しく行うことが大切です。今日これから行われる音楽療法がそれにあたるかもしれません。ぜひ今日は楽しんでお過ごし下さい。」とのお話でした。

その後、藤本先生が紹介され「音楽療法の体験」が始まりました。まず、「声を出そう(発声の歌)」を歌い、続けてその歌の歌詞を参加者に考えていただくようにお願いしますと、会場の皆さんの中から「泣きましょう~えんえん…」「話をしよう~ペチャクチャ…」の案をいただきました。言葉をはっきりと発音をすることを意識して歌いました。
「里の秋」ではピアノの前奏から秋の景色に包まれるような雰囲気が広がり、歌詞に思いを巡らせて皆さんとしっとりと歌いました。
大変良いお天気に恵まれたこの日は、窓からさんさんと日が差し込み、余りの明るさにスクリーンのパワーポイントが見えにくいハプニングもありましたが、「見えないものを一生懸命見て、一生懸命聞いて、分かることはすごい脳トレなります。歌詞を思い出しながら歌いましょう。」とのお話に、会場の皆さんは一様にうなずいていらっしゃいました。次の「紅葉」では2グループに分かれて輪唱にもチャレンジしました。輪唱で歌う際の緊張感と、合流し一緒に歌う時の喜びとほっとされた様子が、歌声から伝わってきました。
ここで、藤本先生から「音楽療法では好みに応じた快刺激、美的体験、成功体験、会話、回想、役割分担、運動をすることができます。音楽療法は楽しいデュアルタスク・マルチタスク、音楽療法士は対象の方に合わせて音楽を調理して進めさせていただいています。」と音楽療法についてお話があり、その後、マルチタスク体験を「虫の声」で行いました。私は緊張しながらでしたがピアノを担当させていただきました。
「虫の名前グループ」「虫の鳴き声グループ」に分かれての掛け合い唱を行いました。相手を聴きながら自分の役割を果たし、しかも歌詞は見ずに思い出して歌う、まさにマルチタスクです!一人ですべてを歌うよりも難しく、2番の歌詞は思い出すことも大変で、(あれ?次は何の虫だっけ?)(なんて鳴いてたっけ…)という不安げな雰囲気が会場全体を覆い、1番よりも歌声が小さくなりました。歌い終えて、「これはすごい脳トレです!たとえ失敗しても、へへへ!と笑いあって、皆さんで一緒にやる方が楽しいですよね!」と藤本先生からのお言葉に、皆さんほっとした笑顔でうなずいていらっしゃいました。
「証城寺の狸ばやし」では左右の方の膝もお借りして、歌を歌いながらの体操をしました。テンポが速くなるにつれ笑い声も聞こえてきました。「東京音頭」は歌に合わせて座ったまま全身の運動ができます。一つずつの動作をなんとなくではなく「意識して行う」ことを目標に運動しました。
休憩後の合奏体験「オ・シャンゼリゼ」「北の国から」の2曲は、「音楽療法サロンGO小金井」と「音楽療法せせらぎ会」の皆さんによるデモンストレーション演奏を行い、続いて初めて参加する皆さんにも楽器を交代して体験していただきました。「皆さん、たくさん練習したからできるんでしょ?私は初めてで、できないからいいわよ…」とおっしゃっていた女性も、「どうぞ どうぞ!やってみてください!すぐにできますから!」とステージ側から誘われて、一緒に体験していただきました。客席からは「がんばれー!」と応援の声も飛び交い、演奏後は初参加の方も晴れやかなお顔に見受けられました。
最後に「山小屋の灯」を歌い、会の幕を閉じました。

2時間たっぷりと体験をなさったあとは、スタート時よりも会話が弾みお元気にお帰りになられた印象です。音楽療法が皆さんにとって「お元気の素」になっているように感じました。
(記 及川)


↑「東京音頭」を歌いながら、椅子に座ったままできる体操をしました。「ヨイヨイ!」手拍子もぴったり揃いました。


↑トーンチャイムを高く掲げ「オー・シャンゼリゼ」最後の音の響きを味わっています。アトリウムいっぱいにやさしい音色が広がりました。