第18回日本音楽療法学会
学術大会に参加して

9月14日から16日まで四国高松で行われた第18回日本音楽療法学会学術大会に、15日の記念講演から参加しました。
会場に入ると、既にヴァイオリンとピアノのアンサンブル演奏が始まっていました。岩崎叔先生のピアノと淵野日奈子氏のヴァイオリンの演奏で、しばらくの間心地よい演奏に浸りました。演奏後、岩崎叔先生は、生い立ちから家族関係、そしてなぜアンサンブルに行き着いたのか経緯を語られ、アンサンブルは人と合わせること、その素晴らしさをお話されました。
その後、MMT(NPO法人音楽療法の会武蔵野)会員の及川さんのポスター発表を聞きに行きました。発表の内容は、ご自身専門のマリンバを用いた音楽療法アプローチでした。とても分かりやすくまとめられたポスターの前で長話をしてしまいました。もちろん発表の内容についてです。
16日の大会長佃昌道先生は、高松で行われているコンクールの意義について講演されました。
続く特別講演では、脳科学者茂木健一郎先生が始終語りかけるように、「そもそも音楽はEBMでは語れないもの(科学的には必要とされるが)。」「音楽を聴くことでドーパミンが増える。」「さまざまな多くの音楽を聴き音楽の幅を広げる。そうすることで脳内が満ち多くのシナプスをつなげることができる。」「生伴奏は人に合わせるので歌う人の活性度が上がる。」「好きな音楽を聴くことが一番。」などと興味深いお話が続きました。先生のお話とパフォーマンスに引き込まれたのは私だけでしょうか?
午後からの会員集会では、「10月より藤本禮子先生が日本音楽療法学会理事長に就任されます」と紹介されました。会場からの拍手を受けながら、藤本先生は「日野原先生、村井先生の後継として大きな重責を感じていますが、会員の皆さんと一緒に音楽療法の発展、学会運営に全力を注ぎます」と素直なお気持ちを述べられました。
その後、私は、国家資格推進委員長でもある藤本先生企画の、国家資格化に向けての自主シンポジウムの準備委員でしたので、打ち合わせのため第1小ホールに移動して準備に掛かりました。
シンポジウムの参加者人数が気になるところでしたが、希望、関心の現れでしょうか、他のシンポジウム、発表などが並列して開催されているにもかかわらず、参加者は160名以上でした。国家資格化、保険点数化に向けて、浮嶋とも子衆議院議員と秋野公造参議院議員のお二人から貴重な話題が提供されました。続けて質疑応答に入りましたが、今回の質疑応答は予め配布した質問コメント用紙に記入された質問コメントを回収し、舞台上ですぐにPCに打ち込み、スクリーン画面で共有しながら行われました。とても臨場感がある時間でした。寄せられた質問には時間のある限り丁寧に対応され、一致団結を呼び掛けて、シンポジウムは終了しました。
その後、閉会式に参加し、翌日の17日に帰宅の途に着きました。
今大会で私が参加したそれぞれの会場では、積極的な質疑応答が交されていて、参加者皆さんの熱心さを感じました。一人ひとりが多方向から音楽療法の発展を前向きに捉えた、参加意識の高い大会だったように思いました。
(記 平井)