第10回MMT「音楽療法研修会 武蔵野」活動報告
10月29日に第10回(2017年度第2回)MMT「音楽療法研修会 武蔵野」が武蔵野市民会館にて行われました。「事例発表/事例をもとにしたロールプレイ」をテーマに11名の方が参加されました。
最初に高齢者領域の事例発表が行われました。「篠笛LESSONを通して薬の副作用(睡魔)が改善した事例」というタイトルで、カルチャースクールでのグループレッスンの中で薬の副作用による眠気を伴う生徒(クライエント)に対してセラピストがどのようにレッスンを進めていったかが発表されました。15分の発表後、40分間の質疑応答を設けました。
篠笛という接する機会の少ない楽器を用いた発表ということもあり、参加者の皆さんも興味深く聞いていらっしゃいました。質疑応答では、時間一杯まで質問があがりました。発表者の方からは、事例を書くにあたり「自身がクライエントに対して、音楽療法的な関わりをしていたのかを自問自答していたが、事例をまとめていく過程で、音楽療法的な関わりをしてきていたと気づいた」との感想がありました。
最後に発表者のご厚意により篠笛の演奏がされ、素敵な音色が室内に響きました。
次に3~4名の3つのグループに分かれ、事例をもとにしたロールプレイの話し合いを行いました。事例の篠笛のグループを、イメージしやすいようコーラスグループに置き換え、発声練習中の眠気防止のためのアプローチを考えました。グループレッスンという形態の中でクライエント個人にどのようなアプローチができるか、どのような工夫ができるかを話し合いました。その後、グループごとに役割を担当して発表し、発表後は感想を述べ合いました。発表では、レッスンの参加者全員が自然に受け入れられるよう流れを作り活動を進めていくということが共通して意識されていましたが、1つの曲を使い色々な歌い方(ハミング、当て振り、歌詞付けなど)を用いた活動、身体を動かすことに焦点をあて段階をおって動きをつけていく活動、呼吸(息を長く吐く)を意識し息を吐きながら歩く活動と3グループ三様で全く違った活動が考えられ、面白い発表となりました。
参加者の方からは「ロールプレイでは様々な気付きがあった」「同じ目的でもいくつもの視点や方法があった」「色々な現場の人と話し合う事ができてよかった」などの感想が聞かれました。
最後に各々、ふりかえりを書き、今回の研修会は終了しました。
当研修会では、事例発表の際に、発表をするだけでなく、じっくりと話し合い、意見交換ができるよう質疑応答の時間を長く設けていること、また、ロールプレイも少人数で時間をかけ話し合うことなどを大切にしています。参加者の皆さんからもそのような時間がとれることはとても良いという声が聞かれますので、今後もその声に応えられるよう研修会を行っていきたいと思います。
(記 小林)
★4月以降のMMT「音楽療法研修会 武蔵野」の活動予定につきましては、決定次第講演会・研修会の長期スケジュールやMMT「音楽療法研修会」概要へ掲載いたします。
↑事例発表の場面です。質疑応答では、様々な意見が飛び交いました
↑ロールプレイの発表です。2つにわかれてリーダーの合図で交互に歌っています。この後、歌詞に当て振りをしながら歌いました
↑こちらは身体活動を行なっています。徐々に身体を大きく動かしていき、最後はコサックダンスにまで!
↑こちらのグループは呼吸を意識した活動の発表です。ゆっくり息を吐きながら歩いています