第25回MMT音楽療法研修会 高崎
活動報告

令和4年1月23日に第25回MMT「音楽療法研修会 高崎」が、オンラインにて開催されました。
「プログラムの背景となる理論を学ぶ」をテーマに、東京、群馬、埼玉、福島、静岡から14名の方が参加されました。
このテーマに至った趣旨は、6月に開催されたMMT研修会での事例発表者が、参加者の皆様から「なぜ、そのような手順で関わったのですか?その理論的背景は?」などの質問に的確に答えることが出来なかったことから、何故この活動をするのか、どうしてこの曲や楽器を使うのかなどを説明する力、そして実際のセッションの取り組みが、どのような理論に基づいているのか、意見交換をしながら学びあうという趣旨で行われました。

今回の研修会では、話題提供者から、マリンバを使用した音楽療法セッションで、児童が次の曲を選ぶ際に「簡単な短い曲、聴いたことのある曲ばかり選んでしまう。長い曲や新しい曲にチャレンジするにはどのように取り組んだらよいか」という課題が提示されました。この課題について、3つのグループに分かれ、課題に合った取り組み方、その取り組み方はどんな理論に基づいているのかを話し合い、グループ毎に話し合ったことを参加者の皆さんでシェアをしました。
1つ目のグループは、ジャンルを広げる、また今までの曲をアレンジによって広げたらどうか。2つ目のグループは、その児童が視覚優位であると思われるので、新しい曲について見通しを持てるように曲を聴かせて選ぶのではなく、楽譜を見せてみてはどうか。3つ目のグループは、自信のなさに注目し、まずは自信を育てるために、縦に進める(レベルを上げる)だけではなく、横に広げるような課題(同程度レベルの曲を複数繰り返す)の提示が必要ではないかなどの意見が出されました。
理論としては認知行動療法、発達理論、人間主義的心理学などが提案されましたが、セッションにおいては、一つの理論からだけではなく、いろいろな理論が重なっていること、また自分の考えを持つ、そしてその考えを説明できる力をつけることの必要性を実感した研修会となりました。
アンケートには、セッションの振り返りや、音楽療法の基本を振り返る機会になった。事例を深く掘り下げて考える方が多く刺激になった。「プログラムの背景となる理論を学ぶ」という今回の研修会テーマを深めて欲しかった。難しい内容であったため、求められていることや、どこに注目して良いか理解しにくかった等の記載がありました。
今後の研修会運営に課題をいただきました。

コロナ禍の中、オンラインでの研修会は「研修会 高崎」では2回目、MMT開催の研修会としては4回目の開催となりました。
当研修会は、参加者全員一人ひとりが考えて発言することを主としています。
皆様のご参加をお待ちしております。
(記 平井)