武蔵野赤十字病院
「音楽療法のお話と体験」に参加して

2018年10月27日13時30分より15時30分まで、武蔵野赤十字病院アトリウムパンジーで“「スマイル教室」特別編 フレイル予防で認知症予防②「音楽療法を体験しよう」”が行われました。
主催は武蔵野赤十字病院認知症疾患医療センター、武蔵野赤十字在宅介護・地域包括支援センター、NPO音楽療法の会武蔵野、そして協力は「音楽療法せせらぎ会」でした。NPO音楽療法の会からは、藤本禮子先生、及川、松本、原が参加して音楽療法体験を担当しました。会場には近くにお住まいの方や入院されている方の他、「音楽療法サロンGO小金井」「音楽療法せせらぎ会」の皆さんも駆けつけてくださいました。

始めに、認知症疾患医療センター相談員の大谷先生からご挨拶がありました。「認知症予防には算数や体操など様々な方法がありますが、何より楽しく行うことが大切です。今日これから行われる音楽療法がそれにあたるかもしれません。ぜひ今日は楽しんでお過ごし下さい。」とのお話でした。

その後、藤本先生が紹介され「音楽療法の体験」が始まりました。まず、「声を出そう(発声の歌)」を歌い、続けてその歌の歌詞を参加者に考えていただくようにお願いしますと、会場の皆さんの中から「泣きましょう~えんえん…」「話をしよう~ペチャクチャ…」の案をいただきました。言葉をはっきりと発音をすることを意識して歌いました。
「里の秋」ではピアノの前奏から秋の景色に包まれるような雰囲気が広がり、歌詞に思いを巡らせて皆さんとしっとりと歌いました。
大変良いお天気に恵まれたこの日は、窓からさんさんと日が差し込み、余りの明るさにスクリーンのパワーポイントが見えにくいハプニングもありましたが、「見えないものを一生懸命見て、一生懸命聞いて、分かることはすごい脳トレなります。歌詞を思い出しながら歌いましょう。」とのお話に、会場の皆さんは一様にうなずいていらっしゃいました。次の「紅葉」では2グループに分かれて輪唱にもチャレンジしました。輪唱で歌う際の緊張感と、合流し一緒に歌う時の喜びとほっとされた様子が、歌声から伝わってきました。
ここで、藤本先生から「音楽療法では好みに応じた快刺激、美的体験、成功体験、会話、回想、役割分担、運動をすることができます。音楽療法は楽しいデュアルタスク・マルチタスク、音楽療法士は対象の方に合わせて音楽を調理して進めさせていただいています。」と音楽療法についてお話があり、その後、マルチタスク体験を「虫の声」で行いました。私は緊張しながらでしたがピアノを担当させていただきました。
「虫の名前グループ」「虫の鳴き声グループ」に分かれての掛け合い唱を行いました。相手を聴きながら自分の役割を果たし、しかも歌詞は見ずに思い出して歌う、まさにマルチタスクです!一人ですべてを歌うよりも難しく、2番の歌詞は思い出すことも大変で、(あれ?次は何の虫だっけ?)(なんて鳴いてたっけ…)という不安げな雰囲気が会場全体を覆い、1番よりも歌声が小さくなりました。歌い終えて、「これはすごい脳トレです!たとえ失敗しても、へへへ!と笑いあって、皆さんで一緒にやる方が楽しいですよね!」と藤本先生からのお言葉に、皆さんほっとした笑顔でうなずいていらっしゃいました。
「証城寺の狸ばやし」では左右の方の膝もお借りして、歌を歌いながらの体操をしました。テンポが速くなるにつれ笑い声も聞こえてきました。「東京音頭」は歌に合わせて座ったまま全身の運動ができます。一つずつの動作をなんとなくではなく「意識して行う」ことを目標に運動しました。
休憩後の合奏体験「オ・シャンゼリゼ」「北の国から」の2曲は、「音楽療法サロンGO小金井」と「音楽療法せせらぎ会」の皆さんによるデモンストレーション演奏を行い、続いて初めて参加する皆さんにも楽器を交代して体験していただきました。「皆さん、たくさん練習したからできるんでしょ?私は初めてで、できないからいいわよ…」とおっしゃっていた女性も、「どうぞ どうぞ!やってみてください!すぐにできますから!」とステージ側から誘われて、一緒に体験していただきました。客席からは「がんばれー!」と応援の声も飛び交い、演奏後は初参加の方も晴れやかなお顔に見受けられました。
最後に「山小屋の灯」を歌い、会の幕を閉じました。

2時間たっぷりと体験をなさったあとは、スタート時よりも会話が弾みお元気にお帰りになられた印象です。音楽療法が皆さんにとって「お元気の素」になっているように感じました。
(記 及川)


↑「東京音頭」を歌いながら、椅子に座ったままできる体操をしました。「ヨイヨイ!」手拍子もぴったり揃いました。


↑トーンチャイムを高く掲げ「オー・シャンゼリゼ」最後の音の響きを味わっています。アトリウムいっぱいにやさしい音色が広がりました。